東京都地域結集型研究開発プログラムのタイトル図
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1 基礎編
第6章 VOC削減への取組

6.1 東京都の取組

東京都では、光化学オキシダント高濃度日の低減、SPM環境基準の全測定局での達成、有害化学物質の環境リスク低減を図ることで、「平成28年度までに光化学スモッグ注意報発令日を0日とすること」を目標にしています。

都内では中小事業者からのVOC排出が6割以上を占めている状況をふまえ、事業者の自主的取り組みによるVOC排出量削減への技術支援及び低VOC製品の普及啓発に力を入れています。

東京都のVOC対策の概要 [東京都環境局]
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/air_pollution/voc/measures_outline/index.html

6.1.1 自主的取り組みへの技術支援

(ア) VOC対策ガイドの発行

経済的に導入可能な抑制策を選択できる技術ガイドとして、工場からのVOC排出を削減するための具体的な抑制手法をまとめた「工場内編」と、屋外塗装においてVOC発生の少ない塗料を選択するための情報を整理した「屋外塗装編」が発行されています(図1.6.1.1)。

工場内編は、塗装、印刷、金属等表面処理(めっき前処理の脱脂洗浄等)、ドライクリーニングの4分野を対象としていますが、それ以外の分野においても同様の作業があれば、排出抑制のためにガイドとして役立つように作成されています。

東京都VOC対策ガイド[工場内編] [東京都環境局]
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/attachement/guide1801.pdf
工場内におけるVOC排出抑制策の選択 [東京都環境局]
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/air_pollution/voc/guide/voc_guide.html

図1.6.1.1 東京都環境局の「VOC対策ガイド」
工場内編(左側)と屋外塗装編(右側)

VOC対策ガイド(工場内編)の内容

VOC排出抑制策を工程改善、原材料転換、処理装置の導入に分けて解説、概ねのVOC削減効果やコスト等を紹介しています。

  • 目次、ガイドの使い方、凡例
    http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/attachement/guide1801_0.pdf
  • 工場内塗装
    http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/attachement/guide1801_1.pdf
  • 印刷
    http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/attachement/guide1801_2.pdf
  • 金属等表面処理
    http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/attachement/guide1801_3.pdf
  • ドライクリーニング
    http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/attachement/guide1801_4.pdf
  • 付録(関係法令、問い合わせ)
    http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/attachement/guide1801_5.pdf

(イ) 東京都のVOC対策アドバイザー派遣制度

揮発性有機化合物(VOC)対策 [東京都環境局]
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/air_pollution/voc/index.html

図1.6.1.2東京都のVOC対策アドバイザー派遣制度の概要
(転載:東京都環境局、「派遣制度のリーフレット」より、http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/attachement/adviser_leaflet.pdf、2011/06/22確認)

中小企業のVOC排出量削減に向けた自主的な取組を支援するため、自治体ではVOC対策アドバイザーを派遣する制度をもっているところがあります。東京都の制度の概要を図1.6.1.2に示します。

この制度は、対策意欲のある企業からの依頼に基づき、審査を経た上でアドバイザーを無料で派遣、簡易測定結果に基づき効果的な対策について技術的観点から助言を行なう仕組みです。

東京都の場合、対象は中小企業(資本金3億円以下又は従業員数が300人以下)で、VOCを取り扱う都内の工場(印刷工場、塗装工場、めっき工場 等)です。助言内容は、現場でVOCの簡易測定を行い、工程の改善、原材料の転換、回収・処理装置の設置、融資制度の紹介などです。

現在、日本産業洗浄協議会等に所属する脱脂洗浄・塗装・印刷技術の専門家6名がアドバイザーとなっています。

1) 派遣制度のあらまし
  • 事業所を訪問し、対策を助言します(無料)。
  • ハンディーVOC計による簡易測定を実施し、測定結果をその場でお知らせできます。
  • VOC使用実態に応じた効果的な対策について、主に技術的観点から助言を行います。
2) 派遣対象

中小企業(資本金3億円以下又は従業員数が300人以下)で、VOCを取り扱う都内の工場(印刷工場、塗装工場、めっき工場 等)が対象です。

3) 助言内容

現場でVOCの簡易測定を行い、工程の改善、原材料の転換、回収・処理装置の設置、融資制度の紹介などの助言を行います。

4) 助言内容の紹介
VOC対策アドバイザー助言内容の紹介 [東京都環境局]
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/air_pollution/voc/adviser/adviser_example.html
5) 派遣の様子
VOC対策アドバイザー派遣の様子 [東京都環境局]
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/air_pollution/voc/adviser/adviser_news.html
6) 派遣手続

対策意欲のある企業からの依頼に基づき、審査を経た上でアドバイザーを派遣します。

7) アドバイザー 登録者名簿
VOC対策アドバイザー登録者名簿 [東京都環境局]
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/air_pollution/voc/adviser/adviser_list.html
資料
東京都VOC対策アドバイザー派遣先事業者の声
  • アドバイザーの指導により、溶剤(IPA)の使用量を前年比で50%削減しました(平成19年度4.9トン⇒平成20年度2.4トン)。使用後のウエスを蓋付き容器に収納する等により、現場環境臭も低減できました。(印刷業)
  • 現状のVOC濃度を認識することができ、薬品やインキの蓋を必ず閉める等、現場の意識向上につながりました。また、廃インキ回収業者の見直しにつながり、大幅なコストダウンができました。(印刷業)
  • 現状のVOC濃度を認識することができ、VOC排出量があまり多くないことが分かりました。専門家にみてもらうことで安心できました。(塗装業)
  • これまで、各種溶剤が環境に与える影響が分かりませんでしたが、アドバイザーから一つひとつ丁寧にアドバイスをいただき、溶剤に対する管理がいかに大切かを教えていただきました。(印刷業)
  • 使用していた脱臭剤では、逆に臭気指数の数値を上げてしまうことが判明しました。脱臭剤の変更か、別の処理を検討するきっかけとなりました。過剰換気であることが分かりましたが、様々な換気条件で溶剤濃度を測定していただき、ほぼ適正換気に是正できました。(めっき業)

(ウ) 環境確保条例上の化学物質適正管理

都は、「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」、いわゆる「東京都環境確保条例」に基づく化学物質適正管理制度と、国が全国一律に実施している「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」に基づくPRTR制度の2つの制度により、化学物質の排出量等の把握と適正管理を進めています(図1.6.1.3、表1.6.1.1)。

図1.6.1.3 東京都の化学物質適正管理

表1.6.1.1 東京都の化学物質適正管理制度とPRTR 制度の比較(平成21年度集計)
東京都の化学物質適正管理制度 PRTR制度
対象物質の着眼点 性状及び使用状況等から特に適正な管理が必要とされる物質として指定したもので、条例による濃度規制の対象物質にもなっているもの
58 種類
人や生態系への有害性(オゾン層破壊性を含む)があり、環境中に広く存在する物質として指定されたもの
354 種類
報告対象
  • 年間取扱量100 kg 以上の工場及び指定作業場
  • 従業員数の規模要件はない
  • 年間取扱量1 トン以上の製造業等23 業種
  • 従業員数21 人以上
把握及び報告内容 5 項目
  • 使用量
  • 製造量
  • 製品としての出荷量
  • 環境への排出量
  • 事業所外(廃棄物・下水道)への移動量
2 項目
  • 環境への排出量
  • 事業所外(廃棄物・下水道)への移動量
報告件数 2,674 件 1,382 件
環境への排出量
(平成21 年度)
合計3,352 トン
(前年度比598 トン減少)
合計2,038 トン
(前年度比348 トン減少)

6.1.2 低VOC塗装の普及啓発

(ア) VOC対策ガイド(屋外塗装編)の普及

業界等との連携による低VOC塗装の普及啓発を目的に作成されました。

  • ① 現状適用可能な低塗装仕様(塗装でVOC工程の組み合わせ)を整理。
  • ② 構造物別(建築物、仕上材、橋梁等)、素地面別(コンクリート、鉄鋼等)に分けて記載。
  • ③ VOC削減率、コスト、耐久性のランク等を提示。
東京都VOC対策ガイド[屋外塗装編] (東京都環境局)
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/attachement/guide1802.pdf

(イ) 平成23年度のVOC対策セミナーの開催

平成23年度VOC対策セミナー -防災・省エネとともに取り組むVOC対策-

対象業種毎に3回、開催されます。

東京都環境局、「平成23年度VOC対策セミナー開催のご案内」
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/event/voc/H23VOCseminar.html
開催日 開催時間 会場 主な対象業種
1 7月11日(月) 14時~16時40分 都民ホール 印刷
2 7月20日(水) 14時~16時40分 金属加工・めっき
3 7月28日(木) 9時20分~12時 塗装

(ウ) VOC対策の自主的取組として活用できる仕組み

VOC対策の自主的取り組みとして活用できるものにVOC排出削減支援ツールの提供やエコアクション21などがあげられます。

  1. VOC排出削減支援ツール(VOCナビ) 
    http://www.voc-info.jp (∗平成23年4月より休止中です。)
  2. エコアクション21

(エ) 低VOC製品の普及啓発

屋外塗装ではVOC発生の少ない塗料(水系塗料など)を使用したり、印刷物作成はVOC排出抑制に考慮した方法で行うなど、工事発注や商品購入時には、VOCの発生抑制に配慮した製品を選択するよう啓発しています。VOC対策に配慮した印刷を示すマークを図1.6.1.4に示します。

図1.6.1.4 VOC対策に配慮した印刷を示すマークの例

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