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2 塗装編
第3章 塗装VOCの環境への影響と規制

3.1 大気環境

塗装工程で発生するVOCの環境影響を大気環境と作業環境に分けて解説します。

塗装に伴い排出されるVOCは光化学オキシダントや浮遊粒子状物質などの大気汚染及び悪臭の原因となり、大気環境へ影響を及ぼします。大気環境への影響を低減するためには、塗装に伴い工場等から大気環境へ排出されるVOC等の大気汚染物質の排出量を低減させる必要があります。

3.1.1 塗装工場等固定発生源に関するVOC規制

塗装工場等の固定発生源から排出されるVOCはその種類が多く、かつ発生源の業種や業態も多様であるため、従来からの大気汚染物質毎の排出規制だけでは効果が期待できません。そのため、大気汚染防止法では、①法規制は排出量の多い大規模固定発生源に対して限定的に行い、②関連業界の自主的取り組みを促進させ大きな削減効果を期待する、という2つの方策を適切に組み合わせて相乗的効果を発揮させるという、政策のベストミックスという考え方が導入されています。(基礎編第1章1.5.1参照

法による規制対象となる塗装に関するVOC排出施設は、換気能力が毎時10万m³以上の吹き付け塗装施設と、換気能力が毎時1万m³以上の塗装用乾燥施設が対象で、それぞれ排出基準が定められています。(表2.3.1.1)

表2.3.1.1 VOC排出規制対象の塗装施設と排出基準
施設の種類 対象施設の規模要件 排出基準(ppmC)
※ 電着塗装、吹き付け塗装用を除く
吹き付け塗装施設(自動車) 換気能力が毎時10万m3以上 既設700、新設400
吹き付け塗装施設(自動車以外) 700
塗装用の乾燥施設 ※ 換気能力が毎時1万m3以上 600

3.1.2 屋外塗装に関する規制

屋外での塗装工事は大気汚染防止法の規制の対象外ですが、努力義務としてではなく、事業者の「責務」として、自主的取組で対応するよう法の中に明文化されています。

大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について(通知)

第11 事業者の責務

規制の対象となるVOC排出施設の排出口からの排出の抑制のみならず、VOCの排出又は飛散の抑制のために必要な措置を幅広く講じることを事業者の責務とした(法第17 条の13)。

VOCは、屋外塗装などの屋外作業に伴って飛散するもの、排出口以外の窓等の開口部から排出されるもの及びVOC排出施設以外の施設から排出されるものも多くある。これらについては、本条及び法第17 条の2に規定する施策等の実施の指針を受けて、事業者の自主的取組で対応することとしている。

悪臭については、悪臭防止法は工場・事業場における事業活動に伴って発生する悪臭について必要な規制を行うものであるため、屋外での塗装工事は規制の対象外となっています。しかし、悪臭苦情件数の約2~3%が建設作業現場からの苦情であることから、臭いの少ない低VOC塗料の採用を検討するなど、周辺環境への配慮も重要とされています。

引用文献

  1. 東京都環境局、「東京都VOC対策ガイド【工場内編】・東京都VOC対策ガイド【屋外塗装編】」、http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/air/air_pollution/voc/guide/index.html、2011/06/21確認
  2. 環境省環境管理局長、「大気汚染防止法の一部を改正する法律の施行について(通知)」、平成17年6月17日付環管大発第050617001号
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