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2 塗装編
第4章 工程改善によるVOC削減の手法

4.2 小規模塗装工場の取組状況

中小規模塗装事業所におけるVOC削減への取組は、東京工業塗装協同組合が行ったアンケートによると、約半数の企業で行っていると答えており1)、その意識は高まってきていることが伺えます。具体的な取り組みの内容としては、「塗料における対策」と「塗装装置における対策」がほぼ同じ割合で最も多く、次に「脱脂等前処理工程の有機溶剤量の削減」で、最も少ないのが「VOC処理装置による対策」でした(図2.4.2.1)。

図2.4.2.1 工業塗装専業事業所(東京)の塗装方法におけるVOC削減のための具体的な取り組み内容
(転載:東京工業塗装協同組合、「VOC規制に対するアンケート調査結果」、平成17年3月)

中小規模工業塗装事業所が行っているVOC排出削減の塗料における対策内容は、先のアンケートによると、ハイソリッド塗料と粉体塗料の採用がほぼ同じで40%を越え最も多く、塗料業界が力を入れている水性塗料は約10%と最も少ない状況です(図2.4.2.2)。これは、ハイソリッド塗料が溶剤系塗料のため、VOC削減効果は粉体塗料や水系塗料に劣るものの、従来の塗装ラインで対応可能であり採用しやすいためです。また、粉体塗料は溶剤を含まないため、VOC対策には最も優れていますが、粉体塗装用の装置が必要であることに加え、以前は「色替えに時間がかかる。」、「塗料の色数に制限がある。」、「乾燥温度が高い。」、「厚膜になり、表面の仕上がりも溶剤系に劣る。」などの理由からなかなか普及してきませんでした。しかし、塗料の進歩により表面の仕上がりも以前に比べて良くなり、色数も増え、メタリックなどの高輝度の粉体塗料も使われるようになってきました。また、塗装装置の開発により色替えの時間も短縮がされてきていることから採用が進んでいます。ただし、まだ色数や乾燥温度、塗膜性能の問題からすべての工業塗装が粉体に置き換わることは難しい状況です。水性塗料は、粉体以上に設備の変換が必要とされることや実績の少なさが変換を遅らせていると考えられます。

図2.4.2.2 工業塗装専業事業所(東京)のVOC削減への塗料での対策内容の塗装方法
(転載:東京工業塗装協同組合、「VOC規制に対するアンケート調査結果」、平成17年3月)

中小規模工業塗装事業所が行っているVOC排出削減の塗装装置における対策内容は、先のアンケートによると、静電塗装によるものが半数以上を占め、後のHVLPガン、ロボット、ホットスプレー、電着塗装は10%前後でほぼ横ばいです(図2.4.2.3)。しかし、回答した上位の対策である各塗装装置は、次の内容により塗着効率を上げようとするものです。

  1. 静電塗装・・・・・・・塗料粒子を帯電させる。
  2. HVLPガン・・・通称「低圧ガン」と呼ばれ、噴霧圧力を下げる。
  3. ロボット・・・・・・・塗装効率を上げる。

図2.4.2.3 工業塗装専業事業所(東京)のVOC削減への塗装装置での対策内容の塗装方法
(転載:東京工業塗装協同組合、「VOC規制に対するアンケート調査結果」、平成17年3月)

引用文献

  1. 東京工業塗装協同組合、「VOC規制に対するアンケート調査結果」、平成17年3月
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