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2 塗装編
第5章 塗装工場用VOC処理装置

本章では、塗装プロセスのVOC処理装置について、市販の装置を整理して解説するとともに、東京都地域結集型研究開発プログラムで取り組んだ処理装置の研究開発事例についても紹介します。

5.1 塗装における処理装置

処理装置は、処理技術による分類及び用途による分類ができます。処理技術による分類は基礎編の「2.1.1処理技術の分類」に記述してあります。用途による分類は同じく基礎編の「2.1.2ガスの種類と処理技術」で簡単にふれています。

塗装分野でのVOC排出状況は、印刷や洗浄などとは異なっています。詳細は、塗装編の「1.3 塗装シミュレータによるVOC排出調査」及び塗装編「1.4小規模塗装工場におけるVOC排出の実態」を参照してください。塗装分野の処理装置、処理方法を決めるには、塗装作業の工程、排気の量、塗料の種類など様々な条件を検討しなければなりません。

塗装分野でVOC処理装置が必要なのは、主に、吹き付け工程の塗装ブースからの排気と乾燥工程(レべリングを含む)の乾燥炉からの排気です。塗装ブースの排気は大風量で、通常は人手による吹き付け塗装用ブース1台から10,000 m³/h(=167 m³/min)の排気があります。また、塗装ブースでは、水や油を使用したミストトラップが使われていますが、それでも取りきれない微小なミストが排気に混ざります。更に、塗装の排気にはシリコン含有物など、触媒を被毒する物質が含まれていることが多くあります。

以上の実態から、塗装ブースの排気処理には、従来から直接燃焼法が主に使われてきました。しかし、補助燃料を燃焼させることによるCO2の増加と高温燃焼による窒素酸化物の増加などから、様々な見直しがされています。直接燃焼法の燃焼効率の改善、エネルギーの回収、蓄熱燃焼法の使用などです。また、塗装ブースの排気中のVOC濃度が低いので、まずVOCを濃縮してから燃焼させる処理方法も採用されて来ています(本研究で実施した中小塗装工場調査では排気中のVOC濃度は平均で266ppmCでした)。

乾燥炉については、乾燥炉の大きさにもよりますが、塗装ブースと比較すると排気量が小さくなります。排出されるVOCの量は塗装ブースの1/4程度です。ただし、排気のなかには、昇温することにより発生するアルデヒド類などにおいの強い物質が多く含まれています。乾燥炉も、悪臭対策から処理装置は重要です。燃焼法で処理する場合は、塗装ブースの排気と乾燥炉の排気を同時に処理することが可能です。現在、中小企業向けの乾燥炉専用の小型の汎用装置は普及しておらず、それぞれの工場が工夫をこらした悪臭対策を採っています。本研究ではその点に注目し、乾燥炉一体型のVOC処理装置を開発しています(塗装編 5.5 「塗装乾燥炉用処理装置の研究開発事例」参照)。

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