東京都地域結集型研究開発プログラムのタイトル図

用語集

浮遊粒子状物質(SPM)

大気中に浮遊する粒子状物質です。大気汚染防止法では、「浮遊粒子状物質の範囲は、大気中に浮遊する粒子状物質であって、その粒径がおおむね10 µmのものをいう。」と定義しています。

オキシダント

オゾン、パーオキシアセチルナイトレート、その他の、光化学反応により生成される酸化性物質(中性ヨウ化カリウム溶液からヨウ素を遊離する酸化力を有するものに限り、二酸化窒素を除く。)をいいます。

非メタン炭化水素(NMHC:Non-Methane hydrocarbons)

メタンを除く炭化水素のことです。メタンは光化学反応性が低いので、大気汚染防止法で対象とするVOCから除かれます。そこで、環境大気中では光化学オキシダントの生成防止のためNMHCを測定し、監視しています。「光化学オキシダントの日最高1時間値0.06ppmに対応する午前6時から9時までの3時間平均値は、0.20ppmCから0.31ppmCの範囲にある」1)という指針が定められています。

1) 環境省、「大気汚染に係る環境基準」、http://www.env.go.jp/kijun/taiki.html、2011/06/29確認

シックハウス/シックハウス症候群/シックビルディング症候群

シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会中間報告書第1回~第3回のまとめ(2000年6月)では、シックハウス症候群について、次の説明をしています。

「住宅の高気密化や化学物質を放散する建材・内装材の使用等により、新築・改築後の住宅やビルにおいて、化学物質による室内空気汚染等により、居住者の様々な体調不良が生じている状態が、数多く報告されている。 症状が多様で、症状発生の仕組みをはじめ、未解明な部分が多く、また様々な複合要因が考えられることから、シックハウス症候群と呼ばれる。」

(転載:厚生労働省 報道発表資料、「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会中間報告書-第1回~第3回のまとめ について」(平成12年6月29日)、http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1206/h0629-2_13.html、2011/06/10確認)

化学物質過敏症

最初にある程度の量の化学物質に暴露されるか、あるいは低濃度の化学物質に長期間反復暴露されて、一旦過敏状態になると、その後極めて微量の同系統の化学物質に対しても過敏症状を来す者があり、化学物質過敏症と呼ばれている。 化学物質との因果関係や発生機序については未解明な部分が多く、今後の研究の進展が期待される。

総揮発性有機化合物(TVOC)

複数の揮発性有機化合物の混合物の濃度レベル。健康への影響を直接的に評価するためには、個々の揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)についてガイドライン値を設定していく必要があるが、100種以上に及ぶ微量の揮発性有機化合物の全てについて短期間で健康影響評価を行うのは困難であり、またガイドライン値が設定されていない物質に代替された結果新たな健康被害を引き起こすおそれもあることから、VOC汚染を全体として低減させ、快適な室内環境を実現するための補完的指標のひとつとしての導入が望まれます。

PRTR制度

PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)制度とは、人の環境や生態系に有害性のある多種多様な化学物質が、どのような発生源から、どれくらい環境中(大気、水、土壌)に排出されたかというデータ(排出量)、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータ(移動量)を事業者が自ら把握し国に対して届け出るとともに、国は届出データや推計に基づき、排出量・移動量を集計し、公表する仕組みです。なお、法律施行令の改正により、現在、PRTR制度の対象物質は462種類、対象業種は24業種となりました(平成20年11月21日公布、平成21年10月1日施行。改正施行令に基づく排出量等の把握は平成22年4月1日からで、届出は平成23年4月1日からです。)。

空間速度(SV: Space Velocity)

処理装置内を通過する1時間当たりのガス量を、装置内の触媒または吸着材の体積で除したものです。単位はh-1(1/時間)です。単位が時間当たりであることを明確にするためにGHSV(Gas Hourly Space Velocity)を使用することもあります。(学術的な文献では、接触時間の逆数として単位が毎秒の場合があります。)

SV = Q/V
SV:空間速度(h-1) 、Q:流量(m³/h)、V:触媒または吸着材の体積(m³)

例えば、流量10,000 m³/h(吹き付け塗装ブース1台分の排気量程度)のガスが体積2 m³の触媒を通過するときの空間速度は5,000 h-1になります。

実際、触媒燃焼方式の場合は、ハニカムに担持した白金触媒を使用した装置でSV=10,000(h-1)程度が使用されています。活性炭吸着方式の場合、粒状活性炭を利用した装置で5,000程度です。この値は、VOCの種類、装置の構造、加熱温度などで大きく変わります。

線速度(LV: Linear Velocity)

線速度(LV)とは、単位時間あたりに触媒または吸着材の断面を通過する気体の速さで、流量を断面積で割った値です。気体のVOC処理分野では、一般的に時間の単位に秒(s)が使用されますが、分野によっては時(h)や日(D)が使用されます。

LV = Q/A
LV:線速度(m/s)、Q:流量(m³/s)、A:触媒または吸着材の断面積(m²)

実際に装置の線速度を決めるためには、圧力損失をどこまで許容できるかが大きな要因になります。また、活性炭の場合は、擦れて出来た活性炭粉末が飛び散らないことが重要で、LV=0.5 m/s以下が使用されています。

圧力損失

触媒や吸着材を流路の中に設置すると圧量損失が生じます。圧力損失が大きくなると送風に必要な装置や電力が大きくなるので、圧力損失は小さい方が望まれます。そのためには、断面積を大きくして線速度を下げることが有効ですが、その場合は装置の設置スペースが大きくなります。圧力損失を1 kPa以下に抑えると安価な送風装置が使用できるなどのメリットが生まれます。図a.1に活性炭の形状による線速度と圧力損失のグラフを示します。この図から、ハニカム成形品の圧力損失が粒状活性炭に比較して約1桁小さいことが分かります。したがって、線速度が大きい場合はハニカム成形品を使用しますが、VOC濃度が高いと吸着効率が下がることがあります(孔数100~300個/inch²)。

図a.1 活性炭吸着材の線速度と圧力損失(繊維状活性炭の圧力損失が大きいのは、活性炭シートを筒状に丸め、直径約10 cmのパイプの中にきつく押し込んだ状態で測定したためです。通常の使用ではこのような実装はしません。)

比表面積

比表面積とは、吸着材や触媒で使用されている単位質量当たりの表面積のことです。活性炭の場合は、活性炭1 g当たりの表面積m²を表し、単位はm²/gが使用されています。ブルナウアー(S. Brunauer)、エメット(P. H. Emmett)、テラー(E. Teller)の3人が導出した吸着等温式を基に算出した表面積がBET比表面積で、一般に広く使用されています。

コロナ放電(Corona discharge)

コロナ放電とは、尖った電極の周りに強い電界が生じることにより持続的に発生する放電の総称で、電極周辺の発光が太陽周辺のコロナに似ていることから付けられた名前です。

炭素換算濃度

炭素数で表した濃度で、単位はppmCで表します。トルエンの場合、炭素数7なので、トルエン100ppmは、炭素換算濃度700ppmCとなります。

光イオン化検出分析計(PID; Photoionization Detector)

PIDは、UVランプが照射する光によりVOCをイオン化し、電極に流れる電流値を検出する装置です。UVランプの光のエネルギー(一般的にはクリプトンランプの10.6eV)よりもイオン化エネルギーが低いVOCはイオン化され、検出されます。

高分子薄膜の膨潤に基づく干渉増幅反射法(IER法)

高分子薄膜がVOCに接することによりVOCガスを吸収し、その濃度に応じて膨潤する現象と、その膨潤の度合いが光の反射と干渉に変化をもたらす現象とを組み合わせ、VOC濃度を測定する方法です。

DNPH(2,4-ジニトロフェニルヒドラジン)

DNPHはカルボニル基を持つ化合物と反応して紫外線を吸収する物質に誘導体化します。そのため、気中のホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等のアルデヒド類の捕集に使用されます。一般的にDNPHを担持したシリカゲルにアルデヒド類を捕集してHPLC(高速液体クロマトグラフ)で測定します。

ピトー管

流れに対し正面と直角方向に小孔を持つ、それぞれの孔から別々に圧力を取り出す細管が内蔵されています。その圧力差(前者を全圧、後者を静圧)を測定することにより、風速を知ることができます。

熱式風速計

通電状態にあるセンサが風で冷却された時に生じる電気抵抗の変化を測定することにより、風速を計ります。持ち運びが容易であるほか、コストパフォーマンスが高く、風速計のスタンダードとして広く使用されています。

作業環境測定士

厚生労働大臣の登録を受け、指定作業場について作業環境測定の業務を行う者です。労働安全衛生法では、「作業環境測定」とは「作業環境の実態をは握するため空気環境その他の作業環境について行うデザイン、サンプリング及び分析(解析を含む。)をいう。」とされています。第1種作業環境測定士については、登録の区分として、「鉱物性粉じん」、「放射性物質」、「特定化学物質」、「金属類」、「有機溶剤」の5種類の区分があります。

フリーラジカル

1個またはそれ以上の不対電子をもつ、独立して存在できる化学種を言います(一般に、電子は2個対になって一つの軌道を占有していますが、1電子だけで1つの原子軌道または1つの分子軌道を占有する電子を不対電子と言います)。共有結合の均等開裂(共有電子対が、1個ずつ別々の原子に分かれる)によって不対電子が生成されます。不対電子をもつ化学種は常磁性(化学種が磁場にわずかに引かれる性質)を持ち、一般に反応性に富んでいます。

公害

環境基本法(1993年)による「公害」の定義は、『環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む)に係る被害が生ずること』をいいます。

典型七公害

公害の定義の中で列挙されている、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭の七つをいいます。

LCA (Life Cycle Assessment)

製品の製造、使用、リサイクル、廃棄、物流におけるライフサイクル全体にわたって、投入される資源の採取、排出される物質の環境負荷を客観的かつ定量的に評価する手法です。

TLV-TWA(Threshold Limit Value-Time weighted average)

時間荷重平均許容濃度の略です。ほとんどすべての労働者が毎日繰り返し曝露しても悪影響を受けることがない濃度です。通常1日8時間労働、週40時間労働に対しての許容濃度を示します。

Eco-indicator 99

オランダにおいて開発された環境負荷の統合化手法であり、統合化の中でも重み付けの部分に重点を置いています。パネル法を用いて重み付けを行っていますが、そのための保護対象の数をなるべく少なくし、Human Health、Ecosystem Quality、Resourcesの3つに限定しています。Human Healthへの影響はDALY (Disability Adjusted Life Years)で表現され、気候変動やオゾン層破壊の影響をDALYに換算しています。Ecosystem Qualityへの影響は環境負荷により消滅する種の割合で表され、Human Healthと影響が重ならないようになっています。Resourcesに関しては残存している鉱物や化石資源の質によって表されており、過剰に使用することで採掘によりエネルギーがかかるとしています。これらは基本的にヨーロッパにおける影響を想定していますが、Resourcesや気候変動の影響は世界的な変動を考慮しています。最終的にはそれぞれの保護対象ごとの影響を重み付けし、1つの指標として統合化しています。

LIME (Life-cycle impact assessment Method based on Endpoint modeling)

(独)産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメントセンターが「製品等ライフサイクル環境影響評価技術開発」と連携して開発した日本版環境負荷の統合化のための手法です。LIMEでは、保護対象として、人間健康、社会資産、一次生産性、生物多様性の4項目を挙げ、温室効果ガス、オゾン層破壊、酸性化、富栄養化、光化学オキシダント、都市域大気汚染、有害化学物質、生態毒性、土地利用、非生物系資源、廃棄物ごとに統合化係数を提示しています。環境負荷総量は、環境負荷物質ごとの環境負荷量に各統合化係数を乗ずることによって算出できます。

環境効率

製品の価値あるいは便益を環境負荷量で除することによって求めます。これを指標として、事業所全体の環境影響評価の指標とすることができます。

アミノ樹脂

アミノ基をもつ化合物とホルムアルデヒドとの縮合反応によって得られる合成樹脂の総称です。ユリア樹脂・メラミン樹脂などが含まれます。メラミン樹脂は、メラミンとホルムアルデヒドとの縮合によってできる熱硬化性樹脂です。

爆発下限界値

可燃性ガスが空気と混合して、着火によって爆発を起こす最低濃度をいいます。

嗅覚閾値

においを感じる最小の物質濃度。

閾希釈倍数

測定で得られた物質濃度をそれぞれの嗅覚閾値で除した値です。嗅覚閾値にするために必要な希釈倍数であり、単一物質の場合、臭気濃度に相当する値になります。

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